Cafe de Castella Annex

旅とカメラとエトセトラ

台鉄(3)區間車とローカル線

台鉄の列車紹介最終回です。

運賃だけで特別な料金がかからない列車が區間車になります。いうならば、各駅停車ですが。

とはいえ、現在ではすべての區間車にもエアコンが付いているとのことです。

沙崙線

<EMU600型電車>K-7/DA16-50mm

區間車に初めて乗ったのは、高鐵で台北から台南に行った時です。

高鐵台南駅は台南の中心部から離れた場所にあり、台南中心部に向かうために、接続する沙崙線を利用しました。

沙崙線は全長わずか5.3km、所要時間20分という短い路線です。高鐵台南駅に接続する沙崙駅と台南駅を含めて駅はわずかに4つのみです。

<チケット>GR DIGITAL

日本でも近距離であればICカードを使うことが普通で、この手の切符にお目にかかることは少なくなってきたと思います。

2012年の時点では日本の切符と同じサイズのものが出てきました。2023年の時点では、券売機でも一回り大きなものが出てきます。優等列車のチケットと同じサイズでどうやら統一されたようです。

<現在のチケット>PowerShot

ちなみに、チケットですが、以前は有人改札を出るとき、当たり前ですが回収されてしまいました。

これを記念に残したい場合、使用済みの切符に駅のスタンプを押してもらうと、これがもらえました。このスタンプですが、仕事などでの旅費申請に使われていたといわれています。

昨年のことですが、今でもそうなのかと思い、改札でスタンプを押すしぐさを見せて押してもらっていました。最初のうちは。ですが、台鉄でも改札の自動化が進み、ほとんどの駅では自動改札になっています。しかも、使用済みの切符は回収されることなく、また戻ってくるのです。便利になったものです。

集集線

<DRC1000型気動車>E-M10 Mark3/ED14-42mm

台湾中部の二水ー車埕間を結ぶローカル線が集集線です。

この地域は台湾の穀倉地帯とも呼ばれますが、1999年に起きた921大地震震源地でもあります。終点車埕は行き止まりで、その先には日月潭があるくらい。

電化されてない路線で、このような気動車が1日に数本走るだけです。しかも、2021年のトンネル損傷により、集集ー車埕間はいまだに不通となっています。

<車内>E-M10 Mark3/ED14-42mm

トイレも備わる車両です。ビニール張りのロングシートで、つり革もある通勤型ですが、こんな具合なのでほぼ座ることができます。

5月でしたが、エアコンがギンギンに効いていました。なお、台鉄では普快車というのンエアコンの客車が廃止になったため、どの線に乗ってもエアコンが備わっています。

<車掌のお仕事>E-M10 Mark3/ED14-42mm

また、この列車に限らず、台鉄の區間車ではドア開閉は1両ごとに車掌が車内で操作します。

そして、集集線は単線のため、タブレット交換も行われますが、これも車掌の仕事ですね。

内灣線

<終点内灣駅のDRC1000型気動車>E-M10 Mark3/ED14-42mm

内灣線は新竹ー内灣を結ぶやはり盲腸線です。もともと、石灰、木材、セメントなどを運ぶ目的で敷設されました。

当然、全線が単線で非電化でした。

しかし、高鐵新竹駅と台鉄新竹駅を結ぶ、六家線(六家ー竹中)が開業し、竹中ー新竹間も複線化および電化されました。

<新竹駅>E-M10 Mark3/ED14-42mm

そのため、新竹を出発する列車は沙崙線と同様の電車がそのまま六家まで行きます。

竹中駅PowerShot

そして、内灣方面に向かう乗客は、竹中で乗り換えることになります。

画像の右側が内灣方面。左側が六家方面です。なぜか、内灣方面にも架線が少しだけ伸びているのですが。

本来の内灣線の気動車は竹中よりも新竹側にある車庫からやってきます。

<イノシシ肉のソーセージ>E-M10 Mark3/ED14-42mm

終点の内灣には内灣老街があり、射的屋があったり、このような屋台もあります。

以前はもっと鄙びた感じだったようですが、ちょっと俗化した観光地となっています。比較的乗客も多く、集集線のように寂しい感じはありません。

台湾人も昔懐かしい感じには惹かれるものがあるようで、列車を利用しなくとも、自家用車やバスでやってくる人もかなりいました。

平渓線

<瑞芳駅>E-M10 Mark3/ED14-42mm

平渓線は瑞芳と菁桐を結ぶ単線、非電化の盲腸線です。

おそらく、ローカル線としては台鉄の中で最も乗客の多い路線だと思われます。

<車内>E-M10 Mark3/ED14-42mm

それは、途中の十分というところがやはりレトロさに満ちているからで、この乗客の大半が十分で下車しました。

<菁桐駅>PowerShot

終点の菁桐もなかなかレトロさを醸し出しているところで、内灣や十分よりも観光客がぐっと少なくなるので、おススメかもしれません。

また、平渓線の沿線では、願い事を書いたランタンを飛ばすことが台湾人の間でははやってます。

<菁桐老街>PowerShot

ただ、平渓線の本数が少ないため、あまりゆっくりとみている暇はないのかも。

ワタクシは午前に基隆を観光したので、あまり時間がなく、結局乗ってきたディーゼルカーに再び乗り込み、十分も下車しませんでした。

瑞芳からはかつて金で栄えた九份もあるので、台北からやってくる場合は朝早く出て、じっくり時間を使ったほうがいいと思います。

なお、使用している車両は集集線や内灣線と同じでした。

盲腸線としてはやはり瑞芳から深澳線という路線も海方向に伸びています。

<EMU800型電車>PowerShot

現在のところ、この車両が區間車では最新型になるようです。

主に、西部幹線などに投入されています。

また、自強號用の気動車が不要になったので、クロスシート仕様のままどこかの區間車で利用されているかもしれません。かつて南廻線の電化が完了していなかった頃、クロスシートのままの區間車に乗ったことがあります。

一部のローカル線以外もはや気動車はいらないし、新型の電車も入ってきているので、かつての車両が大量に残っているはず。これの行き先はどうなることでしょうか。

なお、日本のJRや私鉄、東京メトロなどの車両はタイやインドネシアで活躍しているんですよね。「台湾のお古」ということが国際的に微妙なところですね。大陸との関係を考えると。悩ましい東南アジアの鉄道事情です。

台鉄についてはこれで終わります。