Cafe de Castella Annex

旅とカメラとエトセトラ

糖都、虎尾

台湾雲林県には斗六、虎尾、西螺という3つの都市があります。斗六が県庁所在地で、虎尾に法務局が置かれました。

雲林県の中心をどこに定めるかというときに意見が分かれ、県庁と法務局を分けることで落ち着いたとのことです。西螺には何も置かれていませんが。

<台糖虎尾製糖所>E-M10 Mark3/ED14-42mm

斗六から虎尾へ向かいます。台西客運というバスで小1時間。このバスは大きく迂回するルートをとったので、このくらいかかりましたが、ダイレクトに向かうバスだと30分くらいだと思います。

なお、訪れたのが日曜日だったため、バスの本数が減っていました。

虎尾には台湾精糖(台糖)の製糖所があり、12月下旬から3月にかけて、サトウキビを製糖所に搬入するために貨物列車を使っています。

かつての台湾ではそれぞれの製糖所に搬入・搬出するための路線が引かれ、その一部は旅客の扱いもしていました。この路線は台湾鐡道管理局(台鉄)には属さない台糖が自ら運営する私鉄のような存在でした。

軌間は2フィート6インチ、762mmという超ナローゲージとなります。ちなみに、台鉄は日本統治時代に敷設された鉄道がもとになっていますので、3フィート6インチの1067mmとなります。つまりは日本のJR在来線や主な私鉄と同じです。

<762mm軌道>E-M10 Mark3/ED14-42mm

さて、そんな台糖の鉄道ですが、現在はすべての路線で旅客の扱いはなくなり、一部の路線で観光列車を走らせているにすぎません。

そればかりかサトウキビの搬入はほとんどをトラックに置き換えられています。しかし、虎尾には12月下旬から3月までサトウキビを搬入する路線が台湾で唯一残っているのです。

これを見たくて虎尾を訪れたのですが、5月だったため、実際にサトウキビ列車は見ることはかないませんでしたが。

ちなみに、12月下旬から3月までという期間は台湾でも寒くなる時期で、この間がサトウキビの糖度が上がるのだそうです。

<製糖所前の踏切>E-M10 Mark3/ED14-42mm

虎尾のバス停から製糖所へ向かうと踏切が現れます。

とはいえ、この時期は列車が走らないので、クルマは一時停止もしません。

それにしても踏切の先は土砂で覆われていて、線路が埋まっているような状態です。これは、フィリピンかミャンマーの鉄道のような状態だなと思いました。どちらも乗ったことはないんですけど。

<製糖所への入口>E-M10 Mark3/ED14-42mm

踏切のすぐそばが製糖所となっています。

<製糖所の壁面>E-M10 Mark3/ED14-42mm

踏切から製糖所に沿った道を進みます。製糖所の壁にはかつての写真が埋め込まれています。

<旧虎尾駅>E-M10 Mark3/ED14-42mm

さらに歩いていくと、台糖の鉄道が営業していた時代の駅が現れました。

台湾は古いものをよく保存することが多いです。鉄道関連でいうと、台中の駅が高架化され、新駅舎になりましたが、旧駅舎も残されているそうです。もちろん、日本統治時代に作られた駅舎です。

<SL>E-M10 Mark3/ED14-42mm

駅舎の中は観光案内所兼土産物屋などになっていました。

ですが、切符売り場などの駅の設備などはそのまま残されていました。

そして、蒸気機関車も静態保存されていました。ナローゲージの線路が残されていますが、その先には…。

<虎尾鉄橋>E-M10 Mark3/ED14-42mm

鉄橋がありました。かつて、斗南方面へ向かっていた路線の鉄橋です。

ゲージも残っています。ここは歩いて渡ることができます。

さらには、日本時代の台糖の宿舎なども残っています。

バス停付近にも古い建物をリノベーションして使っているようなものもありました。それが、スタバだったり書店だったりしました。

この日はもうひとつの西螺に行くつもりでしたが、バス便がなく、翌日に行くことにしました。

続きます。