前回の記事は、タイ国有鉄道(SRT)の列車をネット予約するという話でした。
今回は窓口購入のケースです。
<ハジャイ駅のチケット売り場>PowerShot
その前にタイのSRTの列車について解説します。時刻表上の表記になります。
SP EXP 特急
SP EXP(DRC) ディーゼル特急
EXP 急行
EXP(DRC) ディーゼル急行
RAP 快速
ORD 普通列車
COM 大都市近郊コミューター
このうち、ORDとCOMのみが普通運賃で乗車できます。RAP以上は特別料金が加算されるということですね。
SP EXPは全車寝台車。と、いうことは長距離を走ることになります。
EXPは寝台車+座席車。こちらも、長距離を走ります。
SP EXP(DRC)は全席エアコン2等座席車。スプリンターというだけあり、タイで最もスピードの出る列車です。機関車の付かないディーゼル車両です。DRCはDiezel Rail Carのことです。
EXP(DRC)も全席座席車。2等席(エアコン)と3等席(ノンエアコン)があります。ただ、コロナ禍のなかで、現在は運行されてないようです。
RAPは寝台も付く場合もあり、その他の車両は座席車。
以上はすべて座席指定だと思います。
<パダンベサールーハジャイの普通車両>PowerShot
車両の等級について解説します。
1等は個室寝台のみ。個室といっても、上下2段の寝台で、ドア付きの部屋になってます。
2等はいろいろあって、寝台、座席と様々。2等寝台は昼間は2名のボックス席で、夕方から寝台となります。カーテンでの仕切りで上下2段式。座席の場合はリクライニング付きです。全席指定なので、わけのわからない人が出入りすることはないはず。
3等はクロスシート席(向かい合わせ)で4人掛け。古い車両になると片側が広めになっていて、かつては6人用のボックスであったことがわかります。ORDとCOMではロングシートだったり、クロスシートとロングシートがひとつの車両にある場合があります。
また、3等といえども、RAP以上は座席指定となっていますが、発車時間が近づくと、自由席みたいな座席指定されないチケットも売り出されるので、混雑することもあります。3等ではほぼエアコンはありません。
…というような、やや複雑な構成になってます。
では、実際の場面では。すべて窓口購入を行った2019年の旅から取り上げてみます。
乗車区間
<1>パダンベサールーハジャイ
<ハジャイ行き列車>PowerShot
Train No. 948
バダンベサール8:55-9:50ハジャイ 運賃50バーツ
この時はクアラルンプールから北上し、マレー半島を鉄道でバンコクまで行くというコンセプトの旅でした。
マレーシアのアロースターからマレーシア・タイの国境駅、パダンベサールまで乗って、ここで乗り換えです。イミグレーションではまずSRTのチケットを先に買い、マレーシアの出国となります。次にタイの入国。
ハジャイまでは30分もかからなかったです。ただし、イミグレを出る人を列車が待っているので、出発は遅れました。とはいえ、ハジャイ到着は予定時刻よりも早かったです。時刻表の扱いでは普通列車ですが、チケットにはEXPRESSと印字してあり、しかも座席指定されてました。だから50バーツもしたのか。
ちなみに、現在もバンコクーアユタヤ間はたったの15バーツ(普通列車)なので、バンコクの市バス料金並み。それだけ、SRTの料金設定は安いです。
チケット購入は窓口で行いましたが、当然この列車しかないので、「ハジャイ」と告げるだけで購入できました。
<ナコンシータマラート行き普通列車>PowerShot
乗車区間<2>
ハジャイーナコンシータマラート
Train No. 456 普通列車
ハジャイ9:18-13:55ナコンシータマラート 運賃37バーツ
ハジャイ駅の窓口で購入。口頭で告げてチケットを買いましたが、窓口の職員が結構しっかりした英語を話しました。
ひと昔前のタイではなかなか英語をわかる人はいなくて、それは駅でも同様でしたが、このところは英語をわかる人も増えてきてます…というか、外国人が顔を出すようなところでは英語を話せる職員を配置するようになってきたというのが実情かと。
これまた、余談になりますが、チェンマイのロットゥ(乗り合いのワゴン車)乗り場では英語で丁寧に対応する職員もいましたし、ロットゥのドライバーも簡単な英語を話しました。
さて、やってきたのは古ぼけた客車で、乗り込んだ車両は両端のドアの間がすべてロングシートというものでした。珍しいなと思いましたが、後日バンコクでもSRT Eastern Line(クルンテープーアランヤプラテート)に乗ったら、そんな車両がありました。
つり革もついていますね。座れたのでよかったのですが、2時間くらいは立ちっぱなしの乗客もいましたね。
<混雑する快速車内>PowerShot
乗車区間<3>
ナコンシータマラートーチュムポーン
Train No. 174 快速
ナコンシータマラート13:00-19:27チュムポーン 運賃173バーツ(3等座席)
乗車する日の朝に駅の窓口に向かい購入。この時は、メモに列車番号と列車種別、発車時間、行き先を書いて購入しました。ナコンシータマラートからバンコク方面に向かう列車はこのORDとその後に出るEXPしかないので、チュムポーンに早く到着する快速にしました。
2等はないのかと尋ねると、寝台ならあるとのことでしたがそこまでしなくともと思い、3等座席に。でも、座席指定されていたので、まあよかったです。なぜなら、始発の段階から激混みでしたから。とはいえ、エアコンなし。
ただし、かなり遅れ、チュムポーン到着は21時で1時間半の遅れでした。
<スプリンターに付く食事>PowerShot
乗車区間<4>
チュムポーンープラチュアップキーリーカン
Train No. 40 ディーゼル特急
チュムポーン12:46-14:58プラチュアップキーリーカン 運賃388バーツ
ナコンシータマラートで快速を予約したときに同時購入。
たとえ、地方の駅でもタイのどの列車でも予約が可能です。
チュムポーン到着が遅くなることが分かっていたので、この前の普通列車の出発時間が朝8時ちょっと前では身体にダメージが大きいので、「取れるものならと」ダメもとで申し込んでみたら取れました。
もちろんエアコンも付き、食事(あまりおいしくはありません)も出たので、少しは楽できました。
<普通列車ならではの車内販売>PowerShot
乗車区間<5>
プラチュアップキーリーカンーペッチャブリー
Train No. 254 普通列車
プラチュアップキーリーカン10:03-12:55ペッチャブリー 運賃31バーツ
もともとSRT Southern Lineは民間の車内販売が盛んです。この列車もたくさんの物売りが乗り込んでいました。
<ひと口クイッティオ>PowerShot
ここでは未熟マンゴー(塩をつけていただく)とパックされたクイッティオを買いました。もちろん、飲み物やご飯類もあります。
物売りたちを見ているだけでも飽きません。
<サトー豆売り>PowerShot
乗車区間<6>
ペッチャブリーークルンテープ
Train No. 84 急行
ペッチャブリー5:17-8:35クルンテープ 運賃184バーツ
最後の乗車区間です。
ペッチャブリーに到着した時、次の予約を入れようとしたのですが、「当日(2日後)ね」とあしらわれ、ずいぶんと早起きして、その列車が来る前に駅に向かいました。
窓口で「クルンテープ(いわゆるフアラムポーン駅のことです)」と告げると、出てきたのがこのチケットでした。しかし、出発時間は赤字で6:50と訂正してありました。
南本線は遅れが目立つのです。このチケットは3等席でしたが、ちゃんと席が指定されていました。
もちろん、クルンテープ到着は正午近くでした。
以上、2019年8月の乗車記録より。
なお、ナコンシータマラート発の快速は廃止になりました。チュムポーンから乗ったディーゼル特急やペッチャブリーからの急行の時刻も変わっています。
どうも、コロナ禍を経て、SRTはだいぶ列車を減らしているようです。長距離の特急には中国製の最新型を導入しているようですが、ディーゼル特急は2本あったものが1本になり、ディーゼル急行はどうやら廃止。そのかわり、増えてきたのが快速のようです。
そして、優等列車は基本的にフアラムポーンではなく新設されたクルンテープ アピワットという駅に到着するようになりました。
とはいえ、全体的に本数が減ってきているようなので、乗れるうちに乗っておきたいです。
<フアラムポーン駅>KP/DA18-50mm
これらの時刻表の情報は
タイ国鉄時刻表(非公式)
というところから入手しています。こちらには台湾鉄道時刻表、KORAIL時刻表のページもあります。タイ国鉄時刻表には接続するマレー鉄道(KTM)時刻表も付いてます。
はっきりいって、現地の公式時刻表よりもわかりやすいです。